深海展に行ってきた!「知りたい」という情熱は尊い。
先週の日曜日、朝もはようから上野へ向かいまして、深海展をみてきたよ!
ちょうどその1、2日前に、早くも来場10万人突破とニュースになっていました。その影響もあって、覚悟はしていたが、混んでたー! 10月1日までやってるけど、夏休みが落ち着いたらもう会期末で、それはそれで土日混みそう・・。
7月放送のは見逃しちゃったんだけど、8月27日(日)夜9時〜NHKスペシャルで「超深海」をやるそうなんで、見る。
開場前に着くのは必須です
9時開場、われわれが9時過ぎに到着すると建物の外に20mほどは列ができていた。前売り持ってる人もそうでない人も列は同じで、建物脇へ進んでから持ってない人は買っていたが、あまり待ち時間は変わらない感じだったな。ちなみに上野駅でもチケット買える模様。
30分ほど並んで、10:00-15入場の整理券をゲット。少し常設展を見てから戻って入場しました。中は整理券で制限しているとはいえ、やはりかなりの混雑。なかなか最前列に行って説明を読み込むのが難しいが、そもそも3歳0歳を連れているのであまり読み込みに期待はできなかった・・。じっくり読みたい人は、やはり平日がお勧めかも。土日なら少なくとも8:30現地着。
とりあえず混雑状況は公式Twitterを!
2013年開催時より映像が増えていたのが◎
以下、ところどころ。
いくつかの特集仕立ての最初が「発光生物」でした。前回の「深海展2013」より、映像がすごく増えた印象。この発光生物も紹介するコーナーごとにモニターが据えられて(撮影不可だったので写真ないけど)、実際に海の中でその生物がどう光っているのかが映し出されていた。実物に勝るものはないけど、当然見られませんので、映像があるとリアルを見たも同然ですごく見応えがあった。タロー3歳もおもしろそうでした。
こういうジュニア向け解説もよくできてる。
深海といわれる中でもいちばん深い、6000m級の「超深海」で生きているかたがた。
イカの腕だよ! でかい。
「深海と巨大災害」というテーマ、会場マップを見た時点ではピンとこなかったのだが、 なるほど断層ということね。
「しんかい6500」の模型。
知りたい、という情熱は尊い。
などなど。0歳をエルゴで抱いたままの観覧には限界があったが、ざざっと見た中でいちばん興味を引かれたのは、世界最大の科学掘削船「ちきゅう」の活動とそこで働くかたがたの様子でした。
「ちきゅう」の夜の様子(下)と、メンバーの皆さん。照明に照らし出される模様が美しいです。工場萌えに通じるものがある。
「ちきゅう」は昨年9-11月に高知・室戸岬沖で「限界生命圏掘削調査」を実施。海底プレートをさらに1.2km深く掘って試料を採取し、微生物などの分析をしている最中だそう。高知には、高知大学とJAMSTEC(海洋研究開発機構)が共同運営する高知コアセンターという研究機関があって、今回の調査はココと連携しながらおこなわれたそう。
活動紹介の動画があったんだけど、本当にさまざまな人種の研究者が集まっていた。バックグラウンドに共通点がなかったとしても、世界トップクラスの海洋研究の人たちが集結して、2カ月にわたって海の上で「深海の生命や環境がどうなっているのか」という一点を皆で掘り下げているのだ、ということにわたしはぞくぞくしました。
「知りたい」という情熱は尊い。わたし自身は学部卒だから知ったようなことを言えないが、まがりなりにも理系の研究室で教授や院生の熱心さを感じてきたので、こういう科学展示に触れるといつも研究者の役割や働きの大きさを思う。この深海はもちろんあまたある研究のひとつだけど、膨大な数の先端研究とそれに賭けている研究者、日夜そのことだけを考えて探求している人たちがいることが、人類を先へ進めているような気がするのです。
わたし、ふだんは経済の仕事にどっぷり漬かっているのでね。もちろん経済によっても人類は発展しているわけだけど、自分の利益とか関係者の思惑とか、そういう一切を切り離して「知りたい」という意志にもとづいて考え、計画を立て、実験し、知見を得てくるという研究の世界がときどきすごく、透徹したものに感じる。
あと、前回の展示や、2015年くらいに同じく科博でおこなわれた生命の歴史展でも印象深かったが、こうした展示で毎回ぐっと心をつかまれるのは、企画者の意図や課題意識が強く現れている文章です。
たとえばコチラの最後の文「私たちは考えるべき時期に来ている。」とか。ともすれば、こういうのがいるのかー、知らなかった、で終わりがちだけど、生態系への影響と生態系が崩れることへの危機感が、この文から伝わってくる。
コチラは最後の関係者紹介なので、気持ちが表れていて当然なのかもしれないが、「『深海すごい!』から『深海研究開発すごい!』に深化してほしい」というのは研究者の願いなのだなとじんときた。科学の企画展は、展示そのものよりも、背景にある研究者の思いと企画者や博物館スタッフの工夫を感じることが、わたしにとっては行く目的なのかもな。
深海展レポートおわりです! またぜひ企画してください。