ふりにじ。

フリーランス2児の母が、編集ライターをしながら考えたり試したりするブログ

「もう、さっきそういったじゃない!うそつかないで!」(タロー3歳5カ月)

……といったような言葉を、先日の朝、タローになにかを注意したときに返されて、ハッと息をのんだ。ちょっと演技じみたその言い回しのなにがびっくりしたかって、口調がわたしそっくりだったのだ。

びっくりしすぎて、正確な言葉を忘れてしまったが、2文目にうそがどうとかという言葉が入っていた。たしかに思い返せばわたしはここのところ、お約束したじゃない!とか、うそでしょ!と、たった3歳半のタローを咎めることが多かった気がする。

小言をいわなくても大丈夫、という論文はありませんかね?

とくに男児の先輩ママさんたちにはうんうんと頷いてもらえると思うのだが、とにかく、来る日も来る日もどなってばかり。うーん、どなるほど声を荒げないようにと気をつけてはいるけど、常に叱りモード。

一日100回くらい言ってそうなワードリストが以下になります。

・早く! は・や・く!

・いまなにする時間なの? 遊んでいい時間なの?!

・だからさっきトイレ行こうって言ったじゃない!

(類義語:だからさっき○○しようって言ったじゃない!)

・もう、いいかげんにして!!

……うわー、自分でもイヤになるね!  てへ!

はやくはやくって、いわないほうがいいよね。

子どもが2人になり、ベッドなりベビーラックなりに置くと瞬間「この世はおわりなんだギャオーッ!!」とパンクロッカーのように泣くジロー0歳をエルゴで抱えてタローの世話をすることが多くなって、タローのお調子者気質へのわたしの耐性がかなり下がっている。それでつい、強い口調になってしまう。

「はやくはやくっていわないで」という絵本があるのを知っているし、優秀な子を育てたどなたかが「ただ子どもが夢中になるのを邪魔しなかっただけです」と話していたのが印象に残ってていつも頭にある。

ほんとう、これらのワードを1日100回言おうがまったく言わまいが、男子の将来のしっかり度合いに有意な差はなんらありません!という論文があったら教えてほしい。お金を出して買いたい。

生まれてまだ3年の子に声を荒げる情けなさ。

育児をしててたいへんなことはいろいろあるけど、子どもに対応することそのものよりも、ひるがえって自分の至らなさを突き付けられることのほうが輪をかけてしんどい気がする。

強く言ってしまうたび、あっ、いまの口調には子どもに対するしつけや注意以上に、自分の個人的なイライラが含まれていなかっただろうか、もう少し声のトーンを落として話すべきではないか、と反省する。

まだたった3年しか生きていない、ほんの最近しゃべれるようになったばかりの子に強くあたって、こんなに年の差があるのになんて情けないんだろう……と苛まれているあいだにまた違う“叱られ要素”が放たれる。

タローは燃費がいいのか、お腹空いてゴハンにがっつくということがなく、とくに食事に時間がかかる。時間がかかる分、どんどん集中力が切れて、遊びモードに支配されていく。

平日の夕飯は一緒に過ごせる数少ない機会だし、食事を楽しいと思ってもらいたいから、なるべく叱りたくないのだが、放っておくと10分でも20分でも食事が止まってしまうからな……寝るのが遅くなるのを回避したいのだよ。

3歳は立派な個人だけど、大人じゃない。

もはやわたしの英語力をはるかに超えて日本語を操れるようになったタロー。対等に会話がつづくようになったし、しっかり自己主張をするし、基本的に聞き分けがいいほうだと思うが「イヤなものはイヤ!」と梃子でも動かないことも多いので、ついこちらも知らず知らずいち個人として相対してしまう。

それがいいほうに働くこともある。実際、弟ができて3歳になって進級して、いっちょまえ扱いされると喜ぶしやる気も出す。しかしどうして、3歳は大人じゃない。「あと1冊!」といって選んだ本を読み終えて「もう1冊!」となるし、「早く食べるから!」という宣言をした1秒後には忘れている。

それにいちいち真っ向勝負を挑んでいたらキリがなくて、挑むほうがバカなんだよなー。こう、書いているとわかるんだけど、リアルなタイムラインで相対すると、自分の心に問う一瞬の余裕を持てなくなる。 

わがままという形を借りて甘えている。

冒頭の「さっきそういったじゃない!」とわたしの口調を完コピしたとき、そこには同時に、拗ねている気持ちが強く現れていたと思う。だからよけいに、きつくいいすぎてはいけないと自戒させられた。

タローがしゃべれるようになったとき、「あ、しゃべれるようになったのはいまだけど、もっと前から彼のなかに言葉にならない概念はあったのだ」と考えた。

freniji.hatenablog.jp

子どもの表現は限られる。なんていうか、思っていることが違う形で発露することはよくあるんだと思う。「ジローのお風呂の前にどうしても本を読んで!」というのも、それ自体に意味があるというよりは、自分を優先してほしいという甘えからくるわがままかもしれない。

だからわたしの口真似をしたときも、それは自分が小言ばかりいわれていることへの抗議であり、そんなに怒らないでかまってほしいという拗ねた気持ちの表明だったんじゃないか、と感じる。

「ママおこってる? わらってる?」

重ねて、3歳になるころから、怒ってはいけない、キツくいってはいけないとぷるぷる表情をこわばらせるわたしに「ママおこってる?わらってる?」と問いかけるようになってたな、ということも思い出されて、彼の記憶にあるわたしが怒ってばかりだったらと考えて泣きたくなる。

でもね……お調子者気質の3歳タローのおふざけは、やっぱりやっぱり目に余る!! ああ修行。まあ、食べ物をつかんで投げるとか、そこまでの悪さはしないから、片目をつぶるつもりで対応しようかのう……。

記事中で紹介した「はやくはやくっていわないで」という本はコチラです。これ、自分が直視できる気がしなくって、買えていないのですが……。本当、子育てっていうより自分育て、親育てだよ。  

はやくはやくっていわないで

はやくはやくっていわないで