過去ブログ: いぬとぶたの区別。(タロー1歳6カ月)
連休中、遠出はしなかったが基本ずっと大人2人で相手をしていたせいか、語彙がいっきに増えた子。休み明けには園で先生にも驚かれた。名詞と、「おもい(重い)」「いたい」「ちいさい」などの形容詞がたくさん出てくるようになった。まあ、マネしてるだけで、意味はわかってないことも多いようだが。
動物にかんして英才教育をしていると書いた。のだが、わんわん・にゃーにゃーと言い始めた1歳前くらいにわたしが興味深かったのは、なにをもっていぬとネコを見分けているのかな、ということ。
ネコはリアルネコでも、絵本のなかのネコでも、だいたいサイズが均一。リアルネコの立ち居振る舞いはしなやかで、耳が上向きにピンと立っていて、はつらつというよりは「しれっ」としている。絵本ではだいたい目がらんらんとし、縦長の瞳孔がしっかり描かれている。そんなネコ特有の雰囲気を子が感じているかは知らんが、どうも、いぬよりもネコのほうが識別しやすいようだ。ぞうやきりん、パンダ、それからライオンやトラなどの「がおー」グループなど、形態が特徴的なものは前から区別がついていたが、その他の四つ足の動物はだいたいが「わんわん」だった。
それがだな。連休前に突然、気に入っているこの「こどもずかん」を見ながら「ぶた」と言ったので、びっくりした。こどもずかん、コレね。指差して読み上げを要求されていたが、最近は自分で読むようになった。
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なにをもって、いぬとぶたを識別しているのだろう。ぺろっとした垂れ耳のいぬもいるので、やっぱりつぶれた鼻かな。あとはずんぐりした胴体か。ほぼ同時に、牛や馬もわかってきたようだ。絵本を読みながら「絵を眺める」というよりちゃんと読んでいる、絵を識別しているかんじがよりはっきり出てきた。
で、どんどん語彙が増えていくな〜と思っていた連休明けの2日後くらい、これまで「てんてい(先生)」とは言っていた子が初めて「○○てんてい」と、特定の先生の名前を口にした。発話しやすいというのもあるのかもしれんが、0歳クラスからの持ち上がりの先生なので、いちばん親しみがあるのだと思う。いまもかなりメインで面倒をみてくれてるようす。
それでわたしは一瞬、いぬぶた案件のように、うーんそういうとなんか語弊がある気もするが、とにかく「○○先生って言えるようになったね!」と、それ自体に意味があるように感じたんだけど、考えてみれば前からちゃんとそれぞれの先生の区別はついていた。
「てんてい」としか言えなかったときも、きっと○○先生のことを言っていたことがあったのだと思う。△△先生のことを指して言ったときも、きっとあった。あるいは園の知ってる先生みんなのことを指していたこともあっただろうけど、個別の先生の名前を言えるようになったからといってそのときがイコール子のなかでその先生がはっきり認識された瞬間ではない。もっとずっと前から、ちゃんとわかっていた。心のなかでは、あの先生、この先生、ちゃんとわかってる。
これはいぬぶた案件ではない。ぶたは、これまで「わんわん」と言っていたときは子にとってぶたはわんわんで、「ぶた」と言えたときが「これがぶたなんだ!」とわかった瞬間かもしれないけど、そういうほうが少ないのかもしれない。どんどん発話するから、つい発話したことに大きな意味があるような、発話がつまり子がそれを認識した瞬間のようにとらえてしまう。でもまだ氷山のほんの少し、ぴょこっとあたまのところだけが言葉になっていて、もっとたくさんのことが「わかっている」こととして存在している。
もちろん、ひとつひとつ言えるようになることは喜ばしいことだ。でも発話のような外部に明らかな発現の数よりももっと膨大なものごとが、子のなかで毎日毎日わかって、定着していっている。発話以外にも、表情や行動にもそういうサインがあるんだろうけど、わたしが確認できることがすべてじゃないと忘れないようにしよう、と思った。
ちなみに最近、「ハミガキする?」とか「パンをつまみぐいしたでしょ!」とか、都合の悪い問いかけには「え?」といたずら顔で聞こえないフリをするようになった。ごまかすことを覚えた1歳6カ月。それなりの知恵だのう。