ふりにじ。

フリーランス2児の母が、編集ライターをしながら考えたり試したりするブログ

ドクターイエローのトランプが予想以上にたのしかった件。

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タローはテツです。電車の話をすればつねにご機嫌 (単純!)。とくに、2歳半くらいから男児特有の「速い」とか「強い」とかに絶対的な価値を見出すようになってから、速い新幹線や特急がだいすき。

車のない我が家はつねに電車移動であること、ウチが沿線のそばで毎日高架線の電車を見て登園してること、1歳くらいのときにまとめて電車の本のお下がりをもらったことなど、まぁテツ化への環境はととのってたよね!

テツグッズをつい買ってしまう。

そろそろ止めようと思ってるのだが、喜ぶのでね……。こないだ夫が大人のテツ向けのすごい難しい車両カタログを買ってきて、読まされると漢字が多くてタイヘンなんだよー。山手線新型車両 JR東日本E235系電車、とか。オールひらがなの絵本に慣れたらこんどはコレかい( ꒪⌓꒪)

で、もうよほどのグッズでなければ買わないぞ、と思ったら仕事に行く途中に通りかかった新橋の駅構内にポップアップショップが。たまたま5分少々余裕があって、つい買ってしまったのがドクターイエロートランプ。ウチ、トランプなかったから!

情報満載なのがおもしろい。

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さてトランプ。説明しよう!ドクターイエローとは、テツには大人気の、新幹線の線路や架線をチェックするまさに"ドクター"な事業用車両。正式名称は「新幹線電気・軌道総合試験車」。なかなか見られないレアキャラです。

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トランプ、N700系(主に のぞみ)もあったんだけど、ドクターイエローのほうがマニアックそうという観点で選んだ。

それがどうして期待を裏切らない!AならAでどのマークも品川、みたいな絵柄かと思ったら、たとえば♦︎は1枚1枚が各車両の解説。7号車の役割は信号計測で、添乗員室があるよ。

この、微に入り細に渡り情報が詰まっていることに胸アツになる。これ企画したのはやはりテツのかたなんだろうか。そうだったらなんて幸せな仕事なんだろう。たぶん、あーこの情報も載せたいけどさすがに子どもには難しいよな、とか自分の中で線引きをされたのだと思う。マニア最高。

電車の旅に出たくなります。

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ほかのマークの数字札は、東海道新幹線山陽新幹線の各駅が書かれている。前後がちゃんとつながるようになっているので、並べたくなるな。これで七並べをしたい。ちょっと3歳児にはトランプ自体がまだ難しく、2つのマークだけ、Aから5の5枚だけで神経衰弱をし、これにジョーカーを加えてババ抜きをした。神経衰弱を本気でやりたい。

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絵札には路線図やドクターイエローについての解説が。たぶん、カードをフルで使ってタローとトランプをしたら、それはそれでこの解説を読まされる気がする。

わたしもかつて青春18きっぷで日本縦断したし、電車はじめ乗り物全般は好物。大人向けのローカル線として人気の五能線、また乗りたい。あ、青森県五所川原秋田県能代をつなぐ線ですよ、日本海の海沿いを走るので景色が美しい。

電車の旅に出たいのう。子どものテツ、子テツはそのうち卒業しちゃう子も多いそうだが、その前にタローと18きっぷの旅をしたい。アラフォーに硬い座席の長旅は限界があると思うけど。

ちなみにウチにはドクターイエローのフォークもある。カメラの初心者がヨドバシカメラの店員さんに勧められてどんどん高価なレンズを買ってしまって行き着く先を“レンズ沼”というそうですがw、テツグッズもある意味、沼。

電車はさあ、フォークとか箸とか歯ブラシとか、とりあえず細長いものはなんでも擬態するんだからずるい。体温計も見たことあるよ。

子どもが生まれてわたしの世界は狭くなったのか?―ドラマ『母になる』を見ました。

テレビ大好き、ドラマ大好き。夜、出歩けない今は輪をかけて好き。見逃し配信ばんざい。

春クールのドラマはいろいろ豊作でホクホクですが、日テレの『母になる』の初回をTVerで見ました。今週第二話が放送されたが、引き続きTVerで見ようと思ったら二話以降は日テレの無料動画アプリでしか見られなくて、それがバグってて見られない。インターフェースもかなりきびしいので、本当、民放の皆さんはTVerに集約していただけるとありがたい。

さておき。ドラマは沢尻エリカが上手すぎて、感涙。誘拐という事件を扱っているところは、子どもがいる身としてはちょっときつすぎて見るのを止めそうにもなったけど。

母に「なる」というのは本当にそうだと思う。子どもと過ごしながら、親も親として育つ。なのでドラマはこれから、子ども時代が空白となった親子が絆を取り戻せるのか、ふたたび親子になれるのか、見応えがある。

 「子どもができて私の世界は狭くなった」

ところで初回で考えたのは違うところで、「子どもができて世界が狭くなった」と、主人公・結衣(沢尻エリカ)のママ友で、ヘアメイクの仕事をしている莉沙子(板谷由夏)が言うシーンがあった。できちゃった婚で、あろうことか自分の結婚式でこうつぶやく。

同業者の友人たちは、今日これからどこへ行こうかとか、自分のいない間の仕事の話とかを楽しそうにしている。それでため息をついているのを、同じくお腹に子どもがいる状態の結衣がなぐさめる。

その後、まだ若い結衣もまた、3歳の息子を夫に託して泊まりで同窓会へ行って二次会へ流れたときに「アツアツのラーメンを食べるのはいつくらいぶりだろう。みんな楽しそう。生むのが早すぎたかな……」と感じてしまう。直後に息子の誘拐事件が起きて、同窓会でそんなことを思ってしまったことを夫に懺悔するように号泣しながら話す。

……誘拐事件はおいといても、子どもが生まれて自分の世界が狭くなった、という気持ちはすごくよくわかった。わたしも同じようなことを思ったことがある。莉沙子のような後悔のニュアンスはないけど、いつも事実としてというか、状態として思っている。

そんなことを考えていて、タローが小さかったころ、夕方の新宿御苑で飲んだたった1杯のジョッキのビールがあんまりおいしかったことを思い出した。 

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子ナシでやりたいことなんか100もあるよ。

まず、時間がない。次に、自由がない。

夜、飲みにいきたい。なんなら今お酒が飲めないことは100歩ゆずって許容して、ウーロン茶でいいから、夜の街に子ナシで出たい。友人と仕事の話をしたり下らない話をしたりして、終電を逃したい。始発を待ちたい。

思う存分、残業がしたい。取材した人が本当に言いたかったことは何だったのか、夜通し音声起こしテキストと向き合って、ひとりで格闘しながら時間を気にせずに原稿を仕上げたい。夕方や夜の仕事も気にせず受けたい。それから夜の時間に開催される勉強会にも出たい。

自分だけのために時間を使いたい。読書をしたり、映画を観たり、ウィンドーショッピングをしたりしたい。ヒールを履いて、ネイルサロンに行きたい。朝晩、ふわふわと泡を立てて、丁寧に顔を洗いたい。パックをして、髪のトリートメントもしたい(→こないだショートボブにしちゃったよw)。

あと、これは書いてて贅沢だと思うけど、夫と2人だけで素敵なレストランに行きたいし、おいしいワインを飲みたいし、えーと、滞在中のお酒がすべて込みのオーベルジュに行ってくつろぎたいw タロージローを両方まとめて子どもキャンプとかに放り込んで、熱を出して呼び出される心配も少なくなった10年後くらいの夢。ねらってるのはココ。

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狭くはなったけど、その分めちゃくちゃ深くなっている。

……と、まあまだまだ書けそうだが、ジローが保育園に行き始めて平日昼間が使えるようになっただけでもせいせいしている自分がいる。せいせいしている、なんていったら子どもに悪い気もするのだけど。いや、きみらと一緒にやりたいことだって100も200もあるんだよ!

でも、仕事を辞めて子どもと四六時中いるよりも、わたしは仕事を続ける道を選んだわけで、あらためてフルタイムで仕事に邁進できる状況になって気合が入ったことは事実。

結論からいうと、狭くはなってるけど、代わりに子どもがもたらした新しい世界の深さはハンパない。そもそも、こんなに毎日毎日肌を触れ合わせる存在はわたしの人生の中に存在してなかった。水分を与え、ごはんを与え、泣けば抱き。

タローがしゃべれるようになってからは、彼の言葉を通して心が育ち、概念が根付き、人格がつくられていくのが生々しく感じられて、これがディープでなくてなにがディープだろうという気がする。

がんばる、とかね。いぬとかネコとかっていう単語の先に、しらないうちに、そんな概念も身につけていく。「タロー、がんばってたべる!」とか、「がんばれ、がんばれ、っていって!」とか話すようになって、興味深い。

世界が狭くなる前に、仕事に100%挑戦できてよかった。

年齢的なこともあって、わたしは子どもを生むことに迷いはなかったけど、これからママになろうとする人、なりたい人で「仕事で遅れてしまうのではないか」「今までのように楽しめなくなるのではないか」と思う人がいたら、狭くなるし制約はされるけどその分深くなるよ、と話したいと思いました。

仕事の面はなー、会社員だとマミートラックという話も聞くし、なんともいえないのですが……でももし仕事の種類がフリーランスでもできるもので、自分の性に合っていると思うなら、それを模索するのもいいと思う。むしろ、それは子どもが生まれる前でないと、けっこう難しい気がする(あるいは子どもが小学生になるとか、子育てが一段落してからなのかなー)。

わたしは32歳で会社を辞めてフリーになって、翌年に結婚し、2年後にタローを出産した。なので2年くらいは本当に自分がフリーで通用するのか、どういう仕事ができるのか、限界までやったらどのくらい稼げるのか、を存分に試すことができた。ああ、その期間を子どもが生まれる前に持てたのは、大きかったな。

それである程度、キャパが分かったし、「出産するけど復帰するからまた仕事させて!」と伝えて待っててくれる仕事先とも、複数つながりができた。子どもは2人ほしかったから、タローが生まれてからは「子どもがいるとどこまでできるのか」の模索と、もう一回休んでも大丈夫なように、信頼の積み重ね。だからこれから、また新しいステージかなーと感じている。

晴れて飲みに行ける日が桃源郷のように輝いている。

2017年4月現在、最後に子ナシで夜に友人と会ってから、1年以上が経った。こないだ初めて、タロージローの2人を夫に頼んで美容院に行ったけど、夜の数時間を頼めるのはもうちょっと先かな……。

夫は快諾してくれるだろうけど、タローに今「ジローより自分をかまって!」という気持ちがあり、4人でいるときは「パパはタロー担当」みたいになってるので、大人がパパしかいなくて必然的にジローにばかり手がかかるとかわいそうな気がしてしまう。

一緒にいられるのは小さいうちだけ、と、たくさんの先輩方がいっている。特に男の子は「小さいうちにベタベタしておかないとすぐにオッサン臭くなるから!」と親戚にいわれたのでww、なるべくベタベタしておく。

あと少しの間、いろんな制約があるけど、ひとまず1年以内をメドに夜の街に一瞬でも飲みに行きたいな……。子どもと離れた一個人として、ふうと息をつきながら、お酒を飲みたい。その日が、アポがなければ眉毛さえ描き忘れて保育園に行きそうになるわたしの目に、桃源郷のように輝いて見えるのです。

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「もう、さっきそういったじゃない!うそつかないで!」(タロー3歳5カ月)

……といったような言葉を、先日の朝、タローになにかを注意したときに返されて、ハッと息をのんだ。ちょっと演技じみたその言い回しのなにがびっくりしたかって、口調がわたしそっくりだったのだ。

びっくりしすぎて、正確な言葉を忘れてしまったが、2文目にうそがどうとかという言葉が入っていた。たしかに思い返せばわたしはここのところ、お約束したじゃない!とか、うそでしょ!と、たった3歳半のタローを咎めることが多かった気がする。

小言をいわなくても大丈夫、という論文はありませんかね?

とくに男児の先輩ママさんたちにはうんうんと頷いてもらえると思うのだが、とにかく、来る日も来る日もどなってばかり。うーん、どなるほど声を荒げないようにと気をつけてはいるけど、常に叱りモード。

一日100回くらい言ってそうなワードリストが以下になります。

・早く! は・や・く!

・いまなにする時間なの? 遊んでいい時間なの?!

・だからさっきトイレ行こうって言ったじゃない!

(類義語:だからさっき○○しようって言ったじゃない!)

・もう、いいかげんにして!!

……うわー、自分でもイヤになるね!  てへ!

はやくはやくって、いわないほうがいいよね。

子どもが2人になり、ベッドなりベビーラックなりに置くと瞬間「この世はおわりなんだギャオーッ!!」とパンクロッカーのように泣くジロー0歳をエルゴで抱えてタローの世話をすることが多くなって、タローのお調子者気質へのわたしの耐性がかなり下がっている。それでつい、強い口調になってしまう。

「はやくはやくっていわないで」という絵本があるのを知っているし、優秀な子を育てたどなたかが「ただ子どもが夢中になるのを邪魔しなかっただけです」と話していたのが印象に残ってていつも頭にある。

ほんとう、これらのワードを1日100回言おうがまったく言わまいが、男子の将来のしっかり度合いに有意な差はなんらありません!という論文があったら教えてほしい。お金を出して買いたい。

生まれてまだ3年の子に声を荒げる情けなさ。

育児をしててたいへんなことはいろいろあるけど、子どもに対応することそのものよりも、ひるがえって自分の至らなさを突き付けられることのほうが輪をかけてしんどい気がする。

強く言ってしまうたび、あっ、いまの口調には子どもに対するしつけや注意以上に、自分の個人的なイライラが含まれていなかっただろうか、もう少し声のトーンを落として話すべきではないか、と反省する。

まだたった3年しか生きていない、ほんの最近しゃべれるようになったばかりの子に強くあたって、こんなに年の差があるのになんて情けないんだろう……と苛まれているあいだにまた違う“叱られ要素”が放たれる。

タローは燃費がいいのか、お腹空いてゴハンにがっつくということがなく、とくに食事に時間がかかる。時間がかかる分、どんどん集中力が切れて、遊びモードに支配されていく。

平日の夕飯は一緒に過ごせる数少ない機会だし、食事を楽しいと思ってもらいたいから、なるべく叱りたくないのだが、放っておくと10分でも20分でも食事が止まってしまうからな……寝るのが遅くなるのを回避したいのだよ。

3歳は立派な個人だけど、大人じゃない。

もはやわたしの英語力をはるかに超えて日本語を操れるようになったタロー。対等に会話がつづくようになったし、しっかり自己主張をするし、基本的に聞き分けがいいほうだと思うが「イヤなものはイヤ!」と梃子でも動かないことも多いので、ついこちらも知らず知らずいち個人として相対してしまう。

それがいいほうに働くこともある。実際、弟ができて3歳になって進級して、いっちょまえ扱いされると喜ぶしやる気も出す。しかしどうして、3歳は大人じゃない。「あと1冊!」といって選んだ本を読み終えて「もう1冊!」となるし、「早く食べるから!」という宣言をした1秒後には忘れている。

それにいちいち真っ向勝負を挑んでいたらキリがなくて、挑むほうがバカなんだよなー。こう、書いているとわかるんだけど、リアルなタイムラインで相対すると、自分の心に問う一瞬の余裕を持てなくなる。 

わがままという形を借りて甘えている。

冒頭の「さっきそういったじゃない!」とわたしの口調を完コピしたとき、そこには同時に、拗ねている気持ちが強く現れていたと思う。だからよけいに、きつくいいすぎてはいけないと自戒させられた。

タローがしゃべれるようになったとき、「あ、しゃべれるようになったのはいまだけど、もっと前から彼のなかに言葉にならない概念はあったのだ」と考えた。

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子どもの表現は限られる。なんていうか、思っていることが違う形で発露することはよくあるんだと思う。「ジローのお風呂の前にどうしても本を読んで!」というのも、それ自体に意味があるというよりは、自分を優先してほしいという甘えからくるわがままかもしれない。

だからわたしの口真似をしたときも、それは自分が小言ばかりいわれていることへの抗議であり、そんなに怒らないでかまってほしいという拗ねた気持ちの表明だったんじゃないか、と感じる。

「ママおこってる? わらってる?」

重ねて、3歳になるころから、怒ってはいけない、キツくいってはいけないとぷるぷる表情をこわばらせるわたしに「ママおこってる?わらってる?」と問いかけるようになってたな、ということも思い出されて、彼の記憶にあるわたしが怒ってばかりだったらと考えて泣きたくなる。

でもね……お調子者気質の3歳タローのおふざけは、やっぱりやっぱり目に余る!! ああ修行。まあ、食べ物をつかんで投げるとか、そこまでの悪さはしないから、片目をつぶるつもりで対応しようかのう……。

記事中で紹介した「はやくはやくっていわないで」という本はコチラです。これ、自分が直視できる気がしなくって、買えていないのですが……。本当、子育てっていうより自分育て、親育てだよ。  

はやくはやくっていわないで

はやくはやくっていわないで

 

 

Amazonプライム「バチェラー・ジャパン」二股、三股はこうして成り立つ!

 

youtu.be

オムツの定期便が15%オフなんで、タローが生まれたときからAmazonファミリー会員のわたくし。でもぜんぜん特典は利用できてなかったのだが、このほどジローの授乳中にとにかく時間があるということで、TVerAmazonプライムなどをヘビーユースするようになった。

そんな中、めちゃハマっているのが「バチェラー・ジャパン」。ハマりすぎて、万が一にもネタバレされるのがこわくて一切ぐぐってないくらい。古くは「ねるとん紅鯨団」(!いまや若人は知らないであろう……)や「あいのり」、「ナイナイのお見合い大作戦!」、ぜんぜんターゲットを外れてるけど「恋んトス」まで網羅しているわたしが心を奪われるのは時間の問題でしたねー。

The Bachelorとは?

ざっくりいうと恋愛ドキュメンタリーで、元々はワーナーが開発したコンテンツ。海外各国で好評を博したのが今回満を持して日本上陸という流れ。

いわゆる超ハイスペックで非の打ち所がない、手にしていないのは結婚相手だけ、という一人の男性をめぐって、25人の花嫁になりたいという女性があらそいます。これだけ書いても怖い!ヒィー!

Amazonプライム・ビデオより、「バチェラー・ジャパン」特集ページ

日本版は毎週金曜0時に新しいエピソードが配信される。4/7配信時点でエピソード9まで進んでいて、ここまで東京→富士山麓→沖縄→横浜→北海道→タイ!と場所を移しながら、グループデートや2ショットデートを重ねて女性が振り落とされてきている。場所を移すごとに「ローズセレモニー」という儀式があって、現時点で残したい女性にバチェラーがバラをわたすのです。

女25人で男性をとりあうとこうなる。

女性たちは各地で共同生活をしているので、嫉妬や気持ちの推量り合い、3人寄れば陰口!みたいなかんじにもなるんだが、ライバルとして仲良くもなっていく。25人からどんどん絞られて、いま4人。イベントの前後で一人ひとりのインタビューが細かく入るので、見てるこっちもどんどんそれぞれのキャラがわかっていく。

数カ月にわたり何泊かの小旅行を繰り返すので、いわゆるフツーの会社員みたいな女性はいません。アクセサリーデザイナー、フードコーディネーター、女優やナレーター、着付け師、動画タレント?とか。まあ、こういう企画に応募する時点でかなり、まあ個性的。

バチェラー・クボリンのコミュニケーション力が半端ない!

日本版のバチェラー第一号は、東大卒でコンサルを経て起業、それを売却していまは充電中というクボリン35歳。当然イケメン。体も鍛えているw 一応、今回の企画で真剣に結婚を考えられる相手を見つけたいみたいだよ。

もちろんバチェラーのインタビューも随所で入るのだが、今回の旅ではどういう観点で女性たちをみたいのか、なぜこの2ショットデートでこの女性を呼んだのか、等々の質問にまあ明快に答える。書き起こしてそのままインタビュー記事になるよってくらい、言語化能力が高い。それを通して、真摯な人柄もわかってくる(だまされてんのかなわたし?!)。

ドSでないと務まらない。

その能力は女性たちとの時間でも存分に発揮されているんだが、見ていくうちに、優しい半面“ドS"な対応ができないとバチェラーは務まらないのだということがわかってくる。

だって、限られた時間で落とす人を決めないといけないし、前述のように「なぜこの人を選ばなかったのか」もしっかり言語化しないといけないから(なんとなく、じゃコンテンツにならない)。大勢いるカクテルパーティーの中で、「○○ちゃん話そうか」と、○○ちゃんを他の女性陣のメラメラ嫉妬のまなざしにさらしながら連れ出したりする。

いやーこれなかなかできそうにない! 逆に、コミュニケーション力が高くないと、そんな“ドS”でありながら各人を惚れさせることができない。なので、女性陣はとりあえず気が強めな人をバラエティに富んだかんじで集めればおもしろくなると思うんだがw、番組が盛り上がるかどうかはバチェラー選びにかなり懸かっている。

そんなクボリンでも女の生態はわからないのだ!

でも、こんなに高スペック高コミュ力の男性でも、女の本性はわからないのだ……!と衝撃を受けたのがエピソード8。通常はバチェラーがデート相手を指名するのだが、この回では「今回デートに行く相手はAさん(女性)が指名してください、自分も含めて」という変化球な決め方が続いた。

普通に考えて、みんなライバルだから、敵に塩を送るようなことはしない。一度目に指名権を得たAさんは、自分を指名(して顰蹙を買う)。次のデートも同じく、Aさんが指名権を与えられてしまい、さすがに連続して自分を指名するわけにもいかずBさんを指名した。みんな一瞬で(AちゃんはBちゃんを下に見てるのね〜)とわかり、Bさんもデートをよろこびつつそれを痛感。

で、デートに現れたBさん。クボリンはBさんに問いかける、「なぜAちゃんはBちゃんを指名したんだろう?」。ええー、それわからないんですか! Bさんは答える、「うーん、私なら行ってくれても大丈夫だと思われてるのかな」。それ、女っぽい駆け引き力ゼロのわたしでもわかりますよ!

クボリンは直後のインタビューでも、「今回いちばん驚いたのは、Bさんが『Aちゃんに下に見られているかも』と言っていたこと」と答えていた。Bさんは美人だし、他の人に劣ってないのにという感覚からの感想なのかもしれないけど、いやーこんなに人の機微がわかりそうな男性でも女の生態はわからないんだなと、心底驚いたのだった。

「ちょっといいな」から「恋」そして「失恋」へ 

エピソード8では、女性6人が5人になった。この段階で、もうどの人ともハグしてるし手もつないでるし、バチェラーから「好きだよ」とも言ってるし、少なくとも女性陣は完全にバチェラーに惚れている(言うまでもないけど、シチュエーションの力はあるにせよ、複数女性に同時並行で相対しながらそれぞれ惚れさせるってことがそもそもすごいんだけど)。

もう、バラをもらえなくて去ることになったら「ご縁がなかったということで……」とは済まない。実際、これまでに落とされた女性は「ありがとうございました、幸せになってください」というかんじで去っていったが、エピソード8で去った一人は涙涙でビンタをするフリまでして、それはもう完全に「失恋」だった。

バチェラーの側も、まあどこまで本気なのかわからないし、そもそも同時並行だから一人欠けてもいいのではって気もするが、ああもスキンシップしてるとさすがに一人ひとりに情が移ってくるだろう。女性たちが「どこまで本気になっていいかわからない」と訴えるのに対して、彼も同じようなことを口にする。

二股、三股を正当化していうと「一人ひとりに恋している」

加えて「すごく素直に全員に対して愛情を持てるようになりました」とか「一人ひとりの女性に、恋をしているんだと思います」等々、いうんです。番組だから、こういう仕組みだからほほーと思って聞くけど、アレ、これって、なるほど二股三股とはこうして成り立つのか……!と気付くと、また怖いもの見たさな感が強まるのです。

あと、6人になった時点で30代が消えてハタチ、21、22、22、24、26歳と若い子ばかり残っていることとか、女同士でみせる裏の顔(ヒィー!)でいちばん性格悪そうな子がいちばんひいきになっていることとか、突っ込みどころいろいろあるのだが、とりあえず最新エピソードを復習しながら次の金曜を待っている。

入園式。きみはもう胎内にいない。(ジロー0歳7カ月)

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快晴。今週はジロー0歳の入園式がありました。

お下がりでもらっていて着る機会がなかった、蝶ネクタイ付きのロンパースを着たよ。おめでとう。このご時世、入園できただけで御の字というのは百も承知でいうけど、ちょっとさびしい。

預けたいような預けたくないような。

タローの通う保育園が一時保育を設置していたので、ジローは生後2カ月になったときから一時保育を利用していた。途中で哺乳瓶イヤイヤになってしまったが(その話はまた今度……)、0歳一次保育は預けるのが半日のため次第にミルクをはさまなくても大丈夫になった。それに多くて週3回だったから、これから平日毎日登園し、そこで食事、もとい栄養も摂るというのは私にとってもジローにとっても新しい生活だと強く感じる。

タローのときは、とにかく預けることしか頭になくて、運良く0歳児でいまの保育園に入ることができた。預けないことなんか考えたこともなかった。そもそも、産後1カ月で仕事を再開していたし(今回もそう)、慣れない育児にしっちゃかめっちゃかで、はっきりいっていろいろなことを覚えていない。毎日毎日お風呂にいれていたのに、いつまで台所のシンクにいれていたかとか、本当にぜんぜんわからなくて自分にびっくりだよ。おそるべし。

二人目はたしかに余裕がある。

かたや、二人目ジロー。よくいわれるように、たしかに二人目の余裕がある。だから、ありがたいことに保育園が決まってからも、春になるのが惜しいような気持ちがじわじわとしていたし、置くと泣くので家事してるときも寝るときも常に抱っこでつらくても、ただただ抱っこしていたい気持ちのほうが勝っていた。

タローを抱っこで寝かせ、そーっとベビー布団に置けたときの安堵感を思い出すと、余裕がなさすぎて「このままずーっと抱っこしていたい」とは思ってなかった気がする。もういまは大きいんだよ3歳半。もっと抱っこしてればよかったと、振り返る。

ごめんね、いまは「抱っこ!抱っこ!」とせがむときにはいつでもジローがわたしの胸にいる。だから意識的にタローの主張を優先してきいてやっている、ジローのお風呂の前に本を読んでくれとか。ジローをとってもとってもかわいがっていることだけが救い。

生まれてきたときが、母から分離する第一歩。

ジローが入園したのは大きな節目なんだけど、それは第二歩なんだなと感じている。第一歩はもちろん生まれたとき。でも、どちらかというと生まれてからここまでは、生まれる前の延長のような気がしている。それは、栄養を与えるのか自分だけだという点。

ジローは予定帝王切開だったので、手術日の都合上、予定日より2週間半はやく生まれた。それもあって、タローより400gほどちいさくて3kg未満、なんだか手足も骨盤のあたりも骨と皮だけな気がして頼りなかった(それでも正常範囲だったから、もっとちいさく生まれた子のお母さんの心配はいかほどかと思った)。

このリビングが大きな胎内のようなもの。

それもあって退院するまでは母乳のあとミルクも足してたし、退院後もまだぼんやりしていて授乳中にすぐに寝てしまうジローを起こしながら、なるべく間をあけず授乳していた。平日の午後、世間のいろいろが、わたしのいる業界のいろいろなトピックが動く中、そういうのの一切を関知せずに、リビングにはわたしとジローの二人きり。

そのとき、あ、この子はわたしのからだを離れて生まれてきたけど、まだへその緒でつながってるようなものなんだ、とふと思った。とにかく生かそうと、体重を増やそうとせっせと体力や時間をついやしているこの働きかけは、お腹にいたときと変わらない。

このリビングはまるで胎内みたいなものだ。それが自宅じゃなくてデパートの授乳室でも、実家の一室でも、まだきみはわたしと一体なんだ。

自分以外のだれかから栄養をもらっていく。

だから、今回入園して、保育園の先生がミルクや離乳食を与えてくれるようになると思うと、一時保育に預け出したころとはぜんぜんちがう“子離れ感”にぎゅっと心をつかまれるような気がするんです。

入園式の翌日から、とりあえず午前中保育。そのあいだに離乳食をしっかり食べ、哺乳瓶イヤイヤを心配していたが少しミルクも飲んだようだ。いまこうして書いているこの時間は、ちょうど食後のころだろう。つぎの関門は、お昼寝だね……。

お腹いっぱいで機嫌がいいとき、ジローは瞳いっぱいによろこびと期待感をたたえてわたしを見つめる。毎日毎日その目を見ているけど、タローはもうこんな目を毎日しない。まだ、ジローの世界はほぼわたしでできているけど、タローはもうちがう。

きっとすぐにジローも離れてしまう。と、考えるとさみしいけど、物理的や時間的に離れることと心の距離はちがう、と思い直してみる。からだが離れる分、二人とも心の距離をしっかり近くにしていたい。そんなことを思った入園式の週でした。

(あ、二人目はかわいがる余裕はあるが、二人ぶんの世話は2倍じゃなく3倍でした……)

ホテルニューオータニの一時預かりを使ってみた。(ジロー0歳5カ月)

(ジローが保育園に入る前、一時保育でしのいでいたときの話)

こないだどうしても託児の都合がつかなくて、最終手段でホテルニューオータニのベビールームを利用。たくさん遊んでもらって大変キゲンよく過ごしたようで、お迎えいったらベビーコットでぐーぐー寝てた……家でもベッドで寝てくれよ(白目)。

www.newotani.co.jp

事前に会員になっておくと1000円引き。

予約時に授乳室の有無を聞いたところ、ホテル本体に聞いてくれといわれて問い合わせたら、当日フロントに申し出てくれと。で、フロントに寄ったら、授乳室として普通にホテルの一室をかしてくれた! さすがー!

広いお庭を臨む部屋をゆうゆう使えて、ああたった30分ではなくこのままここに泊まりたい……と思ったのでした。フロントにカギを返してベビールームへ行くと、客室フロアのちょっと奥まったところに本当にひっそりと、客室よりも質素なドアに小さく看板が。こちらの顔が見えるインターホンを完備。

わたしの予約時間は平日のちょうどお昼の2時間で、ほかの子はおらず、やさしそうな保育士さんが一人で出迎えてくれた。室内は思ったよりかなりコンパクトだったけど、受付スペースとの仕切りにベビーゲートがあって、保育スペースにはおもちゃやベビーラック。ほっとする配色。

ちなみにニューオータニレディースっていうのに入っておくと1000円引きになるので入っておくとよいよ。(ちなみに男性向けのクラブは役職者限定でした白目)

www1.newotani.co.jp

申し送りメモが敬語! セレブデビューのジローw

無事仕事を終え、でもまあランチするほどの余裕はなく、小走りでお迎えに。あ、赤坂見附方面のタワー棟から行くとけっこう遠いですよ;。

託児中の申し送りメモには「抱っこをすると壁の動物の絵を熱心にご覧になり……」と。ご覧になり! さすがw! はあ、奇しくも当日はダイニングでイチゴのスイーツ満載のビュッフェが催されていましたが、生暖かい目で見ながら8kgを抱えて帰途についたのでした。

その日もファミサポさんはたぶん使えただろうけど、1月に頼んだときはどうも自宅の環境で「ママじゃない!」というのが気に入らなかったのか、2時間泣いたと言われ……使うのをひるんだ。あとたしかベビールームは帝国ホテルにもあったよね。高いけどほぼ空いてるので緊急の選択肢に。

都内ホテルほか、いざというときに。

都内ホテル、ちょいちょいある。品川プリンスのはタロー0歳のとき使ったな、ココは映画見るママたちにぜひみたいな意図で割と往来の多い場所にあり、普通の保育園みたいな感じだった。

託児サービスのあるホテル一覧【東京】@託児所ナビ

あと渋谷の無印良品のなかにもあって、ピジョンが運営している。金土日月だけ、お買い物時にどうぞという。1時間1000円は安いと思う。使ったことないけど、隣接する遊び場にはよく行ったな。渋谷は授乳室も多くないので便利でした。

www.muji.net

ホテルの預かりは高確率で1対1になるのが安心。

それまで選択肢になかったので知らなかったのだが、調べると、普通の民間保育園でも一時預かりサービスをやっているところはちょいちょいある。レギュラーで通っている子もいつつ、一時の子も受け入れている、という。大抵ホテルよりはちょっとは安い。

それで、なぜ最初からホテルの一時預かりしか思いつかなかったんだろう、上記を知った上でもやはり、高くてもホテルを使うかなと思うのはなぜかと考えてみた。ホテルの一時預かりの大きな利点は、基本的に子どもと保育士さんがほぼ1対1になることだと思う。

とくにわたしのように、平日昼間に2時間だけ仕事のために利用するといった場合、予約がかぶる確率はかなり少ないんじゃないだろうか。仮に入っていても、0歳だとたしか1人の保育士さんに対して2人までだし、ほかの子がいないから気をとられることもなく、レギュラーの子がいる保育園よりもリスクが低いのではないか。

ただし不安もある。運営会社はチェックしよう。

でも、ホテルだから安心というわけでもない。ベビーシッティングのサービスを提供しているのはホテル自体ではなく、提携の運営会社なので、もちろんホテルのネームバリューなりの信頼を担保していると思うけど、チェックは欠かせないと思う(ちなみにニューオータニは、宝珠ベビーケアサービスという会社の運営)。

このニューオータニに預けたあとに、ひやっとしたことがあった。ある朝イチの仕事のとき、再度どうしても一時預かりを使う必要があったのだが、仕事の現場からニューオータニやほかのホテルは遠かった。

それでたまたま前述の「一時預かりをしている民間保育園」という選択肢に行き着いて、近場で調べたら同じ運営会社の園が2つあったので、問い合わせた。が、両方ともいっぱい。これは……現場に行きたかったが取材は音声で対応するか、と思ったら、実家の予定が変わって預かってくれることになったので、しのげたのだった。

あとから知ったこと。その運営会社の別の園で、重大な事故が起きていた。その会社は都内や関西の有数のホテルや商業施設内にたくさん保育園やベビールームを持っていて、それをわたしも見て「この会社なら大丈夫かな」と判断したので、文字どおりからだが冷たくなる思いがした。

預けることと、仕事の重要性と。

ベビーシッターやこうした一時預かりを使うのに、否定的な人もいる。ホテルだろうがなんだろうが、信じられないという人もいると思う。

その線引きは人それぞれの価値観だから難しくって、なんなら「0歳や1歳で保育園に預けるなんて、信じられない! ぜったい3歳までは手元で育てるべき!」という、いわゆる3歳神話の信望者も、たぶんわたしが思うより多くいそうな気がする。

ただ、そこはやはり、できるだけ信頼性を吟味することと同時に、預けてまで対応すべき仕事なのだと心を強く持つしかない。そうじゃないと、本当、ぐらつくよね。一時預かりに限らず、働くママはみんなそんな気持ちを毎日、のどもとまでひたひたとたたえながら通勤電車に揺られてる。

(わたしは通勤してませんけど、心は同じですよ)。んー、でもそういう考えも自分を追いつめるかなぁ。わたしは実家が近くて親も元気なので本当に助かってるけど、実家に頼れない人も、気軽に子どもを預けて息抜きできるような場がもっとあったらいいのにね。

過去ブログ:「ふらっと飲み」をしたいのです。

のんべえには多かれ少なかれ、「ふらっと飲みたい」願望がある。

友人や恋人と行く店を約束して、指折り数えて待つ酒の席もすばらしい。酔いを気にせず長々と飲めるホームパーティーもすばらしい(特に子が生まれてからは、自宅に友人が来てくれて飲める機会のうれしいことよ)。うーんと、いずれの席もまあすばらしい。でも、休日の午後や夕方、目的なく街を歩いていて、あ、よさそうな店だね、まだ飲むには早いけど……飲んじゃう? というこの提案の!楽しさ!これはいずれの酒の席とも比べられない。

だいたい、飲むには早いなどと時間を考えたこともない私だが、この何も決めない気楽さが、ふらっと飲みのいいところ。今日、そういう自由な時間があること、そもそもそういう自由な立場にあることが、バタバタもがいてるけど一応大人なんだなと思わせたりする(ちっさい)。場所は、外の席がいいですね。夕方、あるいは14時でもなんなら午前でも私はかまわない。倫理的にはしらん。

そういう自由を、子どもが生まれてからなかなか謳歌しづらい。ふらっと入ったカフェにビールやワインがあれば遠慮なく頼み、夫の前に置かれるそれをぐいっと私の前に引き寄せて店員さんを困惑させたりもするが、やはりカフェでは物足りない。皆さんがお茶しよ〜という雰囲気だから。

もちろん、子をだれかほかの人が見ているならいくらでも飲み屋に行けるけど、夫婦+子連れでは難しいし、子が寝ていたとしても、店の雰囲気というものがある。来ている人のじゃまになりたくない。っていうか、別に子を連れて行きたいわけじゃない。

なので、子連れで飲み屋に行くという発想を持っていなかったし、先日たまたま新宿御苑に行った帰りに新宿三丁目の飲み屋付近を通りかかったときもそうだった。

昔しばしば行った懐かしい立ち飲み屋を、ちょっと見たいだけだった。酒屋のような外観で、夕方になると店のガラス戸の外側にも樽やらなにやらが出てきてテーブルになる。路上である。路上で立ち飲み。好物である。ああまだあるな、と見やったらあなた。外の席に、我々と同じようにベビーカーに子を乗せた若い夫婦がジョッキをあおっているではないの。16時。

店内はこの時間ながらそこそこ満席だったが、路上の席にはその若い夫婦+ベビしかいなかった。思わず足が止まり、その若いママと目が合うような、あっ、ですよね~てへへと示し合わせるような、そんな感じで入口といめんの樽に陣取るよね。お店の人も慣れたもののようで、ドーゾー!と。

1杯だけ。ジョッキ1杯と、串2本ずつと煮込み。結局、寝るかと思いきや子は寝ず、じっとしているのに飽きてきて夫と交代で周辺を散歩したりしたので、結局一緒には飲んでいないような感じだったが、ふらっと夫と飲みたかったのである。ほんの30分でも。

その間、もう一組、ベビ連れの夫婦が来た。先客夫婦の隣について、何カ月ですか~?と談笑しはじめる。居酒屋に子連れで行くのはほめられたことじゃないし、ふつうに上がり込むことはしないけど、子がぎりぎり親の付属物っぽいころまでは、こうして1杯だけ夕涼みするくらい許してくれ。いろいろな世間の風当たりの強さや、親たるものの「べき」論を目にするので、ついこそこそっとなる。

こそこそっと、ジョッキをあおって味わう夕方の生ビール。かつての楽しみを、ちょっと思い出したいだけなのよ。そんな感覚を、会話こそしなかったけど、ほか二組の夫婦となんとなく共有したつもりになって、がんばって1杯で樽のテーブルをあとにした。